2008/6/21 土曜日

篠田さんのこと映画監督の永田琴さんに聞きました。

Filed under: アーティスト — Lucy+K @ 13:00:21

来月のジジは八百屋です。野菜売ります。作家も参戦です。というわけで今月の篠田昇展も残すところあと1週間ほどになってしまいた。
リピーター組も含め最近はタイミングにより店内が混み合ってしまい、ご迷惑おかけしております。といっても6、7人でギュウギュウという小さな店内なので、混むという表現も正しくないというか、とにかく狭いのが原因です、すみません。特に平日の夕方以降、土日は入場をおまちいただくこともあるかと思いますが何卒ご了承ください。

そんなにも愛される篠田さんについては、店内でも監督方に素敵なコメントをいただいておりますが、
今日はなんと、ご来店いただけないジジブログ読者のために特別、現場の篠田さんをよーく知る映画監督永田琴さんにお話をうかがいました!楽しく素敵な女性の永田琴さんには、篠田さんのモノマネをたくさんしてもらったり(かなり面白い!)、今回の設営でもいろいろと相談にのっていただいていました。

小山:永田さんは岩井俊二監督の助監督をされていたそうですがどの映画のどんなときに篠田さんとご一緒されていたのですか?

永田:そもそも、岩井さんの助手をすることになったのは篠田さんの紹介なんです。丁度、行定さんが岩井さんの助監督をやめられた時期で、四月物語の撮影の少し後でした。松たか子さんのプロモーションビデオを撮ったのが最初です。篠田さんに連れて行かれ、制作の仕事をしました。助監督の仕事もしたのかな?(その頃の私はウィルコという会社に所属)
その後、何度か篠田さんにつれられて岩井さんの現場へいき、そのうち岩井さんから直接声がかかるように。岩井さんと篠田さんの現場で特に印象的なのは「リリイ・シュシュのすべて」「花とアリス」ですが、篠田さんにはこんな感じでいろんな現場に連れて行かれました。CMとかPVとか…。篠田さんの撮影は、カメラ機材、カメラワークに始まってロケーション等、段取りをきっちりやらないと撮影出来ないことが多かったので、篠田さんのわがままを聞いてくれる制作部が必要だったんです。そんな理由で、制作部は連れて行くから、なんてことがまかり通っていました。あえて制作部としていますが、私は制作部と助監督を両方一緒にやってきたので特殊なのですがそういう言い方になってます。
私が監督になってから、一度だけ篠田さんに撮影を担当してもらったことがあります。キットカットのCMです。最初で最後になってしまったけど…すごく思い出に残ってます。珍しく私に気を遣ってくれて、「琴!……さん」とかよばれたりして。。。。なにも心配しなくても、絶対満足できるモノ撮ってやるぞ、ていう暖かい心意気が伝わってきて、安心して撮影に臨めました。大切な作品の一つになりました。

小山:そんな篠田さんは現場でどんな方だったのでしょう?

永田:一言でいうなら、ガキ大将でしょうか。人を呼ぶときは、口に指を挟んでならす口笛をつかったり(指笛?)、現場中になんか冷たいなぁと思ったら水鉄砲で水をかけまくっていたり、もういたずらといういたずらすべてでもって、周りのスタッフを脅かす(?!)ような人です。篠田さんの手にかかったらなんでもおもちゃなんです。
地方ロケなんかいくと大変です。トランシーバーを切ると怒られるんです。ホテルの部屋にいても、「琴、きいてるか?」「飯食った?」「いまからシャワー浴びるぞ」などなど…トランシーバーを使って、逐一連絡を取ってくるんです。切ったりなんかしたら、あとで「おまえトランシーバー切ってるだろ」とマジで怒られましたから(^_^; プライベートくれよ…って、思いましたね。
そんなガキ大将なのに、仕事は丁寧でした。よく「琴!おまえ乱雑だな」「もっと仕事は繊細に!」って怒られました。
ガキ大将の篠田さんにいわれたくない!と思ったりもするんですが、見ていると篠田さんの仕事は本当に丁寧で、びっくりするんです。切ったり貼ったり、道具を動かしたり…しかもいろんなアイデア持っているのでどうやってもかないませんでしたね。

小山:篠田さんは現場でのムードメーカーだったんですね。思い出に残る言葉はありますか?

永田:たくさんありすぎて…ですが、なぜか今ふっと頭に出てきたのは… 篠田さんの愛車、クラシックのベンツに乗せてもらったとき、「何聴く?」といって、一方的にビートルズをかけてくれました。丁度新しいスピーカーに替えたばかりで、絶好調のサウンドでした。その時の一言。
「動くマジソンスクエアーガーデン!」
つい、思い出し笑いをしてしまいます。

小山:さて、そんな篠田DNAを注がれ続けていた永田さん、昨年話題となった映画『Little DJ-小さな恋の物語-』の監督を手掛けられていますが、今後の予定は何かありますか?また、せっかくなのでご自身の宣伝などあればお願いします!
永田:もうすぐ新作の映画撮影に入ります。内容はまだお教えできないですが、来年お披露目できると思いますので、是非見て下さい。現在奮闘中です!
それともう一つ。「かわいいカノン」(季東将司著 徳間書店刊行)という小説が発売されました!縁あって知り合った作家で、彼から送られてきた小説をプロデュース的な立場で書籍にすることができました。とっても純粋で瑞々しい物語です。是非よんでください。

小山:では最後に永田さんから篠田さんへひとこと。

永田:篠田さんが教えてくれたたくさんの事や経験は、私の映画人生においての財産です。篠田さん、本当にありがとう!

小山:琴さん貴重なお話をありがとうございました。

明日は篠田さんの命日です。雨が好きな篠田さんはもう降らせてますね。

4 Comments »

  1. 今日は、雨ですね。
    ひまわりがいっぱい届きましたね、篠田さん。

    篠田さんはひまわりが好きだったそうですね。
    ジジの入り口には現在、お送り頂いたひまわりがたくさん咲いていますので
    それを目印に皆さんいらしてください。

    琴さんをはじめ、いろいろな方との素敵なつきあい方に憧れてしまいます。
    篠田さんへ贈って頂いている皆さんのラブレターで少し垣間みれます。
    店内に展示させて頂いておりますので、ご来場の際に是非ご覧下さい。

    それでは、みなさまのご来場お待ちしております。

    Comment by gg原田 — 2008/6/22 日曜日 @ 14:16:58

  2. gg様
    こんにちは、
    学生団体クリエイタープロジェクトの鹿野と申します。

    我々は日本のクリエイションを電子書籍を通じて海外に発信するために
    現在多くのクリエイターの方に取材を行っております。
    10月の下旬に創刊号を発刊予定です。

    今回は渋谷を舞台にクリエイターの方々に思い入れのある場所や想いで話しを取材したいと考えております。

    そこで渋谷を舞台にした作品を手掛けた
    永田琴さんに取材をしたいと思い
    ご連絡先を探しましたが見つけることができませんでした。

    インターネットで検索したした結果
    gg様のブログを発見するにいたりました。

    どうにかして永田琴さんにコンタクトをとることは出来ないでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

    Comment by Kento Shikano — 2010/9/16 木曜日 @ 1:38:57

  3. こんにちは。コメントでのお問い合わせ
    ありがとうございます。

    パソコンへお返事させて頂きましたので、
    ご確認頂けますようお願い致します。

    Comment by gg — 2010/9/18 土曜日 @ 9:43:57

  4. ggさま

    MagNetの鹿野です。
    わざわざ永田琴様にご連絡いただき感謝いたします。
    ご連絡遅くなり大変申し訳ありません。

    さっそく永田琴様に取材依頼のメール送らせていただきました。

    今後ともよろしくお願いいたします。

    Comment by Kento Shikano — 2010/9/21 火曜日 @ 21:29:59

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