2008/6/6 金曜日

6月6日。作品の前にまずは「愛」ですよね、篠田さん。

Filed under: アーティスト — Lucy+K @ 13:44:33

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連日たくさんのファンの方にご来場いただいている篠田昇ポラロイド展ですが、篠田さんを知らない人も、今月のジジに入るとなぜか皆、ファンになってしまうという…そんな不思議な月です。映画キャメラマンとしての秀逸さは後に触れるとして、まずはその人柄、生き方に吸い込まれてゆくのだと思います。映画もすばらしいし写真もいい。でも、その前にまず「愛」です。篠田さんは愛で生きる人なんですよね。

といっても私はお会いしたことがあるわけではありません。
そんな篠田さんを知らない人のために、今展覧会では、生前親しかった映画監督のみなさんに篠田さんについてのお話をいただき展示しています。まずは、自身の映画作品ではほとんどを共にされている岩井俊二監督。そして、仕事以外でもよく一緒だったという長澤雅彦監督からは、まだ暇な時代(笑)から入院生活に至るまでの思い出話をたっぷりと。また、遺作となった話題作「世界の中心で、愛をさけぶ」を監督された行定勳監督からも。それぞれの文章からは、篠田昇という偉大であたたかい人柄が手にとるように伝わってきます。そして昨日、井筒和幸監督からもひと言届きましたので週末には展示しておきます。そう、篠田さんはデビュー以来、井筒監督作品も多く手掛けていました。是非ご来場ください。

さて今日は6月6日。なんの日だ。
別に問うほどのことでもないのですが、実は6年前、前社で雑貨屋企画指令が私とサチコにくだされたのが2002年の6月6日でした。企画が動き出した日です。それから少ししてggという名前がついて、「雑貨屋をつくることにしました。」の本が出て、デザインの仕事をする傍ら移動式雑貨屋を4年間展開した後、たくさんの人に支えられながら2006年8月ようやく小さな8坪のお店ができました。人の愛が行き交うシステムをと2年限定ではじめた月変わりの無茶なお店も残すところあと2回。今月の篠田さんの愛たっぷりのジジは偶然のような必然のような。。愛がすべてとは言わないけれど愛がなければ良い作品は、残らない。私の少ない経験の中で唯一はっきり言えること。これまで出会った皆様の愛に感謝です。

そしてもうひとつ、私も一緒に企画している活版印刷のオールライト工房が、本日6月6日オープンしました!こちらも昔ながらの素晴らしい職人さん、印刷物や文字に対するみんなの愛によってスタートすることができました。今月のジジの篠田さんのDMの表面も実はオールライト工房で1枚1枚手作業(!)で活版印刷をしてもらっています。兄様ほんとうにありがとう!
katsuji.jpg活字といいます。

篠田さんの仕事にしろ活版印刷にしろポラロイドカメラにしろ、新しい技術がうまれる中で、変わらずにいたい部分もありますよね。決して古いものアナログが残ればいいという単純な話しではなくて、物体自体はなくなっても最先端な仕組みの中で実はとても必要なものは、人の手や気持ちなのだと思います。その気持ちを頭だけで保ち続けるのはおそらく難しいので、活版やポラロイドのように実際の作業を少しでも残したり、篠田さんのような仕事の紹介をしたりする機会を増やせるようにしたいものです。
なんて、先日もまる1日携帯をお店に忘れて携帯に頼りっきりの私は、まわりに大迷惑をかけてしまう始末。かと思えば、パソコンの接続などさっぱり苦手でいつも人にヘルプを出す、まったくもって最先端とアナログを共存できていないいまいちな私ですが今後ともよろしくお願いします。

UFOもおっこちるほどの6月6日はなんだか感慨深いものがあります。


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