2009/1/27 火曜日

「ウマと私と津軽海峡」と寝る子は育つ。

Filed under: アーティスト,豆知識 — Lucy+K @ 18:28:53

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昨日は彫刻家の櫻井かえでさんの個展のオープニングへいってきました。

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櫻井かえで彫刻展
「ウマと私と津軽海峡」

会期:2009.1.26〜2.7
会場:ギャラリーせいほう http://gallery-seiho.com/
東京都中央区銀座8-10-7東成ビル1F 
電話:03-3573-2468
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かえでさんは、昨年の8月に開催した gg Lock Art Festivalで、ステージの中にどーんといたシマウマの作者です。

DMやパンフをデザインさせていただいてたので写真は見てたのですが想像以上に…

でかい。
でかい。
でかい。

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まずでかい。
全長2メートル。

そして、かえでさんの才能はタイトルのセンスで大炸裂。
今回の「ウマと私と津軽海峡」は、メイン作品のタイトルで、青森の津軽海峡方面の木を使っているらしく、
しかもウマのおしりは鏡台ふうで椅子もついていて、鏡で顔を整えてからウマと一緒に走るイメージと、言ってたような。。
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会場には他にも「ソウジキリン」という巨大作品もあり、
その名のとおりキリンの体が掃除機になっていました。

そう、かえでさんはダジャレとアートを融合させた作品づくりに徹している彫刻家なのです。

ダジャレフェチの私としては、たまりません。

この才能は、是非海外の美術館などで世界へいって欲しい!と思っていたのですが、そういえば、日本のダジャレは外国では伝わらないのです。残念。

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小さいのももちろん、ダジャレ。
一番奥の作品は「ヒグマットレス」
真ん中の私のお気に入り作品は「ウマクラ」などなど

なぜか寝具系シリーズ。

眠ることってほんとうに大事ですよね。

そういえば先日ちょうど、IKEAで企画されていた、眠り(寝具)のプレスイベントにいってきたのですが、そこでゲストでいらしていた茂木健一郎さんのトークショーで、人は、眠っている間に脳で昼間の出来事を整理したり、記憶に残す作業をしたり、よく考えたりしているそうで、うまく眠れてない人は、それができずに何事にもよくないと言ってました。特にクリエイターの創造力にも重要で、シルクドゥソレイユ等で知られる有名演出家のダニエルさんは、大事な会議中でも毎回「今から10分寝ます!」と言ってその場で寝て、起きた瞬間新しいアイディアが出るそうで、十分まわりもそれを理解しているらしいのです。
眠ることは大事だなーと実感。
ちなみにこのトークショーは演出が面白く、広い会場にIKEAのベッドがすらり並び、好きなベッドに座りトークを聞くという会場構成。
さらにサプライズでベッドの布団の中から登場してしゃべりはじめた茂木さん。
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話しはずれましたが、櫻井さんの作品に寝具系の作品が多いのは、一瞬ふわっと癒される作品の気もしますが、実は人間の心や脳に直接ささる強い作品の現れでもあるのですね。

是非銀座へお越しの方は、お立ち寄りください。

ああ昨日も夜更かししてしまった私。
「クマと私と〆切海峡」

クリエイターよ眠志を抱け!

2009/1/19 月曜日

見て聞いて話して!ソックモンキー展はじまりました。

Filed under: ggのこと,猿のこと,豆知識 — Lucy+K @ 5:11:22

最近の猿式箱内を見渡すと、いつのまにか三猿の置物が日々増えてました。
三猿とはあの「見ざる、聞かざる、言わざる」で有名な三匹のお猿です。
子どもの頃は悪いことを見たり、聞いたり、話したりしないで素直な心で成長しなさい。という意味らしいのですが、ちゃんと悪いことも見たり聞いたりしないと世間を知らない箱入り娘になってしまっていけない気もしますけどね。
あ、そっか!箱入り猿だから、ここは猿式箱なんだ。納得、納得、結果オーライ。
ということで
猿式箱に同居するgg miniコーナーでも猿にまつわる展示をしよう!
と原田店長が考えたようで、
とってもおちゃめなソックモンキー展がスタートしました。
さあさあ、見に来て!いろいろ聞いて!そしてみんなに話して!という感じのお猿たちです。
箱入り猿なんて言わせないわ。
(テンションがおかしい。)

*

以下原田店長より詳細が来ました。
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ソックモンキー 展
場所:gg mini 13時〜 月休 
   東京都渋谷区猿楽町2-14 2F
   03-5489-5881
会期:2009.1.13〜2.15まで

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ソックモンキーとは

100年程前のアメリカ イリノイ州の片田舎。
貧しい炭鉱町のおばあちゃんのお家からソックモンキーは生まれました。最初に生まれたソックモンキーはクリスマスを待つ孫娘へのプレゼントに。おばあちゃんが心を込めて、孫娘の喜ぶ顔を思い浮かべながら作りました。あっという間に、ソックモンキーは全米へと広まり今では労働者用のかかとの赤い靴下に作り方が添えられるほど身近なものになりました。

そんなソックモンキーは日本でもつくられています。日本でつくられるソックモンキーは「緑光苑」という施設の皆さんが制作しています。「緑光苑」とは、身体にハンディキャップのあるひとたちが働く施設です。

アメリカでは、障害のある人を「チャレンジド」といい、
“The challenged”を語源とする、この言葉は「全ての人々には自分の課題に向き合う力が備わっていて、課題が大きい人々には、それを乗り越えるだけの大きな力が与えられている。」というポジティブな哲学に基づいているそうです。

障害があるから、困難だからと諦めるのではなく、それぞれに合わせた環境を提供することや仲間と協力し合うことによって、一人一人の可能性は大きく広がると考え活動し、働く場所を提供している施設です。
障害があっても強く願い努力をすれば夢は叶うもの。そんな想いがこめられたソックモンキーは、ひとつひとつ何日もかけて出来上がります。
今回のミニジジコーナーはお猿をテーマにソックモンキーをご紹介しています。
お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。 gg 原田

参考資料:ソックモンキー協会/緑光苑

http://sockmonkey-kyoukai.jp/
http://www.ryokkouen.jp/top.htm

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すべて販売もしています。
価格 1体 5800+tax 計6090円

かわいすぎます。
気になるお猿はお早めにお問い合わせください。
03-5489-5881

かわいい動物といえば、ggも参加している展覧会
押忍!手芸部の『Trash or bear』邦題:チリも積もればクマになる
の大阪バージョンがはじまったらしい!
以前代官山でやってたスケベアのやつですね。

それにしても押忍!手芸部は、年始から忙しそうだなあ。。

部長はあきらかに、見て聞いて話して猿派だな。
そしてもちろんggもだけど。

2009/1/11 日曜日

フィルムとプリントによって写真が変わるがよくわかる。

Filed under: 豆知識 — Lucy+K @ 5:26:51

今日は去年リニューアルするはずのggウェブサイトの打ち合わせをしました。目指せ3月という話しをしたので忘れないように書いとこうっと。
お手伝いいただいているHくんOくんSくん、どうぞひとつよろしくお願いします。

ブログもスタート。

というわけで
突然ですがフィルムで写真撮るときにどのフィルムを使うとどんな色に仕上がるのかって、素人にはぱっとわからないものですよね。
オススメを全部見比べたいなあ…

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というわがままな(私の)要望に答えてもらい、現在、写真店フォトカノンでは、9種のフィルム別サンプル写真が展示されています。
しかも、プリントトーンでも色変わるじゃん!ということで、さらにそれぞれをノーマル・ハイキー・vividの3つ仕上げにわけてプリント。
いやーこれなかなか見れないね。写真屋さんならではのプリントサンプル展。

フィルムとプリントによる写真の違いがよくわかります。
2週間しかやってないのでお見逃しなく。

そして、展示にもあるナチュラ1600のフィルムで年末に私の撮った中国の写真が数枚、来週半ばくらいから「NATURAピープル」のサイトで紹介してもらうのでよろしければのぞいてください。
http://camerapeople.jp/natura/

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年末といえば、そういえば大晦日これを見ました。
ガキ使の「山崎VSモリマン最終章」
去年に引き続きモリマンさんにお誘いいただき収録の観覧にいっていたので
どうテレビで流れるのか楽しみにしていたのです。

最終章ということで二人の戦いの迫力もさることながら
ゲストのカノウ姉妹様の迫力ある胸が50センチくらいで見れた喜びを思い出しました。

全体的に感動的な戦いだったので
記念にクリアファイルを買ってしまいました。
売店が混雑しすぎて争いあって買いました。

戦いはいいものだけど
争いはいけないものです。

「戦争」は両方の字が入っているから
惑わされるのかな。

どうか2009年は戦争が終わりますように。

2008/12/19 金曜日

ニーハオ!世界一長い海上橋を渡ってきたシェイシェイ。

Filed under: 課外授業,豆知識 — Lucy+K @ 5:17:37

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ニーハオ〜。というわけで一昨日まで上海にいってました。
(写真は上海じゃないけど)

ちょうど3つくらい中国での仕事が重なり、私の初の中国はかなりハードな旅となりましたが、現地チームのみなさんのおかげで大満喫。

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今回は、ほとんど上海市内の観光はできませんでしたが、上海の夜景と泊めていただいた通訳さんのマンション近くのギャラリー街を少々見学。あと、おいしかった上海名物のあげまんじゅう(小龍包の焼いたもの)をたらふく食べた。写真ピン失敗。
上海は2010年の上海万博に向けてまだまだ建築ラッシュなのです。世界不況の風はここでは感じられず、唯一夜景の点灯時間が外資系のビルほど早く消える皮肉な状況くらい。

そして休む間もなく
翌日の夜には700キロ離れたものづくりの街の、とある洲へ車で南下。

中国人4人+日本人2人(私以外は全員50代)の全6、7名のチームでワゴン車の小旅行、まあ中年版の「あいのり」みたいな感じです。夜11時頃上海を出発して翌朝目的の工場街へ着くという、つまり車中一泊もスケジューリングされている。私はまだいいけど、年配のみなさん方すごい体力だな。
リーダー格のジョさんは、中国版「寅さん」のような人で、嬉しいとよく叫ぶ、よく笑う、よく怒る、とても優しい、いわゆる熱い人。おかげで人情身あふれる良い旅になった。
*先日、三茶のヨーロッパ食堂で「男はつらいよ」鑑賞会をしたばかりで寅さんに感情移入中。

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夜中に走っているのは今年の5月開通した世界で一番長い海上橋の「杭州湾海上大橋」。暗くて見えないけどなんと海の上を38キロの橋がかかっている。夜更けといってもそんな橋を渡れるのにわくわくして眠れるわけがない、あいのりワゴン。

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そして朝着いた街は、上海とはまったく違う世界。商店街一体がすべて小さな工房が並んでいました。

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いくつか工場をまわる。1人のところから300人のところまで。
中国では女の人のほうが強いので嫁にいった先が自営の場合、経営権を妻が握るらしく、みかけは可愛く明るい普通の女の子でも中身は同世代とは思えないほどやり手の女社長にも多々出会う。
私たちのチーム内での日本人もう一人のメンバー中村さんは、某大手自動車会社の開発にいらした方なので、各工場で先生と呼ばれていて、日本の会社の仕組みや流れを教えたり忙しい。この話しはけっこうためになるので次回でお知らせ。
我らリーダーの寅さん、いや、ジョさんはそんな人たちと義理人情と笑いと時には厳しく盛り上げながら仕事をする。

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左が中国版寅さんのジョさん、右は唯一英語で会話できるチンさん。

ちなみに私の名前の「小山」と、奈々子の「子」は発音しずらいらしく、通訳さんが「じゃあナナちゃん」にしようと提案すると、ジョさんがそれを随分気に入ってしまったようで、10分おきに用がなくても「ナナちゃ〜ん!」とよばれる。その度に私は「はーい」。という繰り返し。タラちゃんイクラちゃんみたいなもんですかね。
工場のみなさんにも「ナナちゃんです」と通訳さんが紹介するのであちこちから「ナナちゃん」と呼ばれてなんだか、まじめな仕事をしているのだけど、いい年して親戚の家にいった子どものような気分になった。30すぎてイクラちゃんかあ。

c-3.jpg毎朝おかゆセット。うまいんだ。
夜は豪華な食事をご招待いただくことが多かったですが、ここだけの話し屋台とかで食べる素朴なおかゆのほうのが美味しかったりもする。

そんなこんなの初中国でしたが、また続きは次回に。とにかく広すぎるこの国の13億人をまとめる力はすごいと思う。たかが1億人の日本くらい、誰かちゃんとまとめてよって心から思った。結局しばらく上海とは仕事が続きそうなので、じっくり研究してみます。

今回実は久しぶりのフィルムカメラ。
年明け、モノグラムさんのNATURAピープルの企画で登場するということで「ナチュラ」のカメラをはじめて使った。気楽さも色もトーンも全部いい。フィルムが1600で夜景も暗闇もよい感じに撮れる。
1月中旬にはそのサイトで今回の上海の写真が登場する予定なのでまた紹介します。

2008/11/22 土曜日

長生きをするらしい不健康。

Filed under: 豆知識 — Lucy+K @ 14:06:15

ボージョレー・ヌーボー解禁〜。
というこの日、三茶のヨーロッパ食堂で美味しいワインをいただきました。
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ここはほんとになんでも美味しいお店。今度また紹介する出来事があると思うのでそのときに。

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美味しいといえば、先日北海道から大量に牡蠣が届きました。みんなで牡蠣パーティをした。
生まれてはじめてあんなにたくさんの生牡蠣食べたもんで喜びが隠せない。だから隠さない。昨日は牡蠣の炊き込みご飯もした。寒い日にはいい。この一週間でたぶん50個くらい食べた。校長本当にありがとうございました!

そんな寒空の昨日は、帰り道酸素不足に陥り貧血をおこす。
なんでだろう?と体を見回すと、あったあった、原因が。重たいバッグをたすきがけにしていて首の後ろが締め付けられて血が頭にまわらなくなっていたのです。酸欠マニアの私としてはタクシーでのマフラーやきついハイネックはまずアウト。それより笑える酸欠は、デニム地のジャケットの固い襟が首の後ろを直撃していて血液が循環しなくなって貧血になったりする。ただ服を普通に着てるだけで笑える私の弱点。こういうときは酸素スプレーがよく効く。そうそうよく学校の朝礼で倒れるタイプです。
さらに低血圧でもある私。
でも以前お医者さんに「低血圧の人は心臓の動きが遅いからその分長生きするんですよ。」とにっこり言われた。健康なんだか、不健康なんだかさっぱりわからない。

そこで話しは牡蠣に戻るのですが、「海のミルク」と呼ばれるほど高栄養の牡蠣。それに含まれる亜鉛は、体内の酵素を活性化すると言われ、微量栄養素の中でも最も注目されている成分だそう。栄養のバランスも抜群の牡蠣は私のような長生きの不健康にはもってこい。北海道のみなさんありがとう〜。パワーの源の牡蠣をこんなに食べた冬はきっと元気よ。ボージョレーの夜に乾杯。

もう12月になりますね。

2008/11/15 土曜日

母なる大地とゴールデン街

Filed under: 課外授業,豆知識 — Lucy+K @ 11:10:52

ストックホルムにいる友人から「マイフレンズがジャパンに行くからダークな東京案内1日よろしく!」と連絡があったので「まかせといて〜!」と気軽に返事したら、先週、日本初めてのスウェーデン人が4人もやって来た。好きな友達の友達はいい人と私の中では決まっているので心配ご無用だけど。帰国前日にはじめて彼らに会った。それまで1週間デザインイベント系をまわっていたらしく(作品参加してたみたい)デザインはもう疲れたといってみんなで新宿ゴールデン街へ向う。

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*ストックから送られてきた4人のお気に入りの写真。

ふらふらと友達がママをやっているバーに行き、さらに近くの神社で酉の市のお祭りが盛大にやっていたので顔を出す。お土産に商売繁盛のくま手を買って、たこ焼き食べて、お好み焼き食べて、見世物小屋いって、、。酉の市って英語でなんて説明するのさ。ジェスチャーと単語でなんとか伝える。お祭りで見知らぬ人に焼鳥ごちそうになったり、一番エキサイティングな日本の夜だと興奮する4人だったのです。
ちなみに彼らはcodeという建築家チーム。気のあう友達の友達だけあってやっぱりとても気があった。
それにしても見世物小屋の蛇食い女が目に焼き付いて私にもかなりヘビーな日本の夜でした。みんなに見せて大丈夫だったかな。2回は見れません。(でもMさんありがとう。。)

新しいデザインも大事だけど日本の文化や伝統工芸、技術ももっと見方を変えて守っていかないと。

ところで伝統っていったら、しばらく前に書いたモノづくりに触れる週末その1の日記のあとすっかりその2を触れ忘れてました。

そう、スウェーデン人が新宿ゴールデン街でママに会ったのなら、私は先日、活版印刷界の母に会いにいってきた。
母といっても、人間ではなくて、活字の母。活字というのは実は「母型(ぼけい)」という金属の型に鉛を流して文字をつくるのであります。なんとも素敵なネーミングです。先月、その「母型」を作るためにオールライト工房のみんなとともに、山梨へ。日本にもう数件しかない母型の工場、これがなくなると活字はもうできなくなります。

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今回は職人の先生が図面で掘り方を丁寧に説明してくれて、そのあとオールライト工房の全員で、目的の文字を機械で掘りました。写真はテストで掘った漢字「口」の母型。ここに鉛を流し込み反転された活字ができます。そりゃ職人技難しいです。
右のいつになく真剣な私が何の文字を掘っているかは、本家のオールライト工房のサイトでいつかアップすると思いますので控えます。(じっちゃん楽しみにまってます〜。)

なにごとも母から産まれます。大きくすべてを包み込む大地のようです。子どもは少子化。活字も少字化。伝統も少統化。だからゴールデン街のような環境は外国の人がいっても安心するのかな。ちっちゃいお店がたくさんで、そしてママがいっぱい。日本の母を感じるのかも。

関係ないけど小学校のときずっと合唱団というのに入っていました。
♪母なる大地をあ〜… いい唄。

2008/11/6 木曜日

理屈より絵が美しいほうが強いときもある。

Filed under: アーティスト,豆知識 — Lucy+K @ 0:24:00

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服部貴康写真展 PEACE
2008年11月7日(金)〜11月26日(水)
会場 photo kanon mini gallery
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10月にggがリニューアルオープンを手掛けた写真店「フォトカノン」のミニギャラリーにて開催。写真家服部貴康が撮り続けている、静謐な子どもの世界が小さな部屋にひろがります。

photo kanon
戸越銀座商店街の写真店 
東京都品川区戸越銀座2-1-3
TEL:03-5498-1641
http://www.photokanon.com/

ところで先日、渋谷シネマヴェーラで開催中の「映画作家岩井俊二の全貌」で行われたトークショーに行ってきました。岩井俊二さん、行定勲さん、永田琴さんの豪華監督3名。面白かった話題は、「Love Letter」の映画で、なくなった家がトンネルの中だったという設定に無理があったと行定さんがコメント(トンネルは山を掘るものだからそこに家が建っているはずがない)。当時助監督だった行定さんは撮影中も言い続けたらしいのだが、岩井さんと撮影の篠田昇さんの一存であえなく強行突破されたらしい。岩井さんは「ほんとだ、おかしいって17年目にして気づいた!」と笑って言っていた。それでも結果、素晴らしい画が撮れて見ている人も特に疑問に思わなかった現実。理屈より絵が美しいほうが強いことを実感させられたという行定さん。そう。
ひとつの仕事を長く続けていると、知らないうちに頭がかたくなっている。それをいかにやわらかくできるかで、いい仕事とかいい人生とかが決まると思うのです。岩井さんはじめ6月にジジで写真展をした篠田さんはまさにそのもの。実はクライアントでもあるこの写真店「フォトカノン」のオーナーさんも60歳をすぎている方ですが、その辺の20代30代よりも遥かに頭が柔軟なんです。本当にびっくりするくらい。経験を積んだ人はだいたいプライドが邪魔して簡単にやわらかくはなれないもんなのですが、まわりの若い人の意見もちゃんと聞いて、そして仕事も成功されている。そんな大人になれるように頑張ろう。
といっても毎月変わる雑貨屋をやったおけげでだいぶぐにゃぐにゃな頭になった。今思えば、カチカチだった頭をリハビリするのための2年間だったのかもしれない。毎月頭を0にする練習。その切り替えはいろんなところで役立っています。
物事がなかなかうまくいかないときは、たいてい木の枝を着け変えることからしかやり直していない時が多い。もったいないけど潔く未練を捨てて木の幹から変えられるとその前より何倍も良い木が育つ。破壊と幸せはいつでもとなりあわせです。

そんな素敵なオーナーのいるphoto kanonギャラリーでは、7日から、写真家服部さんの写真展
PEACE がはじまりま〜す。 

2008/7/4 金曜日

いらっしゃい!週末の野菜とオールライト工房オープニング。

Filed under: アーティスト,豆知識 — Lucy+K @ 12:06:26

今週末5日ジジ着の野菜情報。
長野県の丸山さんちから、きゅうり、だいこん、梅など。というわけで今日の金曜日は野菜品薄ですがアーティストの野菜作品は減りませんのでご安心ください。そういえば最近入荷した完全オーガニックのココナツ缶とマンゴー缶。大人気ぞうさんペーパーの会社がスリランカで作っているもの。売りたくないくないくらいおいしい。オーガニックの畑は3年以上農薬を使っていないことが条件だそう(そんなもんなんだ?)ですが、ここは1000年使ってない畑。でも1000年前なんて農薬もないからきっといままで使ったことがないです。と社長。限定数しか入荷していません。お早めに。

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さて昨日は活版印刷のオールライト工房のオープニング。「オ」とマークの入ったスタッフポロシャツを着て日頃お世話になっている活版印刷屋さんとプレス、友人などをお出迎えにゆく。

オールライト工房公式サイト↓
http://www.allrightkoubou.com/allrightkoubou/
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工房は鵜の木駅にある金羊社さんの一部を貸してもらっています。1年前の活版再生展でまるで「あしながおじさん」のように社長が声をかけてくれたのです。
8月初旬には、おなじみ札幌「まほうの絵ふで」でもオールライト工房活版ワークショップ開催。高田兄弟よ、実っちゃんよ頑張れ〜!
7月末には大塚いちおさんと柿木原さんもまほうの絵ふでのイベントに参加されます。ジジまわりがこぞってみんな札幌進出で面白い。
夜に活版チーム10人弱、鵜の木の居酒屋で飲む。久しぶりにみんなそろったので話すことがたくさんで大変だった。その中で一番話したのがトイレのふたを閉めないとお金がたまらないということだった。だからか!すばりジジのトイレは和式なのです。

**

一昨日はようやくシネアミューズでLove letterを観てきました。
篠田さんの息づかいを知ってしまった今回は、数年前に見た景色とはあきらかに違いました。
ジジまわりのお友達と篠田いづみさんと行ったのですが、混んでるのになぜかいづみさんと私の間をひと席空けて座って観てしまった。終わったあとから友人に「篠田さんいたから空けたんでしょ?」とひょいっと言われ、ものすごく納得。
そっか一緒に観てたんだなあ。

映画といえば、先週友人と高倉健主演の「駅」を観た。理由は北海道の旅でそのロケ地の増毛にいってきたということで。もう30年も前の映画なのですが、映像も話もキャストも驚く程ぐっとくる。その後の日常、劇中に何度も流れた八代亜紀の「お酒はぬるめのかんがいい〜。」が頭をループ、しかしどうしても途中から鳥羽一郎の歌になってしまい最後まで歌えないのです。私の音程がいけないのか?歌詞の記憶がいけないのか。誰か同じ目に会ってしまう方いたら一緒に歌いましょう。

今の頭の中の歌は、もちろん
「あー私の恋は南の風にのって走るわ〜。」
これですね。

歌ってすごいな。
たぶん人生にデザインはなくても生きていかれるけど
音楽がないと生きていかれないと思うなあ。

デザイナーとしては悲しい現実だけれど
だからこそ存在意義を作るためにもっとやらんといけないのです。

自分に言ってます。

2008/6/9 月曜日

ポラロイドカメラ SX-70はみんなのアイドル

Filed under: 豆知識 — Lucy+K @ 9:31:42

夏間近、昨日は閉店後さちこ店長と二人でそうめんをゆでて食べました。
先日群馬で畑の勉強に行ったときに(来月のジジは八百屋さんなので)もらってきたとろろをすりおろし「うまい!」といいながら食べてたんですが、手とか口のまわりとかかゆくなってきて、DVDを見てたのにおかしくてそれどころじゃなくなりました。「かゆい」という感覚って不思議。嫌なものなのに人間味あふれてて…。
篠田さんのようなきれいな絵が撮れたらなあ…、そんなかゆいところに手が届くポラロイドカメラについて。

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今月店内に飾ってあるこのポラロイドカメラは篠田さん×岩井さんの95年の作品「ラブレター」で、主演の中山美穂さんが実際劇中で使っていたものです。実は篠田さんの自前。ちなみにこれは1972年に生まれたSX-70という機種になりますが毎年開催するジジのポラロイドカメラ月間でも一番人気のファーストモデル。茶銀とも呼んでいます。少し淡く、黄色や青みがかってオーバーよりに撮れるのが特徴です。
ジジもポラ好きで(私は690や680の機種がメインですが)かれこれ撮りはじめて8年くらいになります。旅行では1回に300枚とかフィルム持っていってましたもん。
ました、と、過去形なのは、ご存知の方も多いと思いますが、ポラフィルムの生産が残念ながら近々終了してしまうのです。
日本ポラロイド社の公式発表より。
私自身はポラをデザインや人とのコミュニケーションツールとして頼っていた分、やや不安もあるけど、たぶん「私の(ポラの)力なしであなたはもう一人で大丈夫よ」って言ってもらってるような気もします。あの光や色の素晴らしさを教えてくれたポラロイドカメラには本当に感謝。フィルムがなくなろうとポラは永遠の友です。それまではもったいぶって使おう。大事に使うときっと腕もあがるね。

そして展示にもあるように篠田さんもポラロイドが大好きです。撮影時に光をチェックするのにも、絵の構図用にも、お花見にも、近所の散歩にも常に持っていたそうです。今回展示してある写真はほんの一握り。奥様のいづみさんと写真などが収蔵してあったご実家の地下へ何度も何度も行って、思い出話しをたくさんうかがいながらセレクトしました。篠田ファンにはきっとあの写真はあそこの映画の現場だ!など、たくさん発見できるのでしょう。

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また、その展示写真の中から篠田昇ポラロイド記念オリジナルポストカードセットをご用意いたしました。愛犬オスカーの写真、DMのタイトルなし(裏面には展覧会の情報入り)「写真以上写真未満」に掲載された作品などポストカード5枚+三行レター便箋(後日説明)のセットで1100円です。たくさんあるので大丈夫だとは思いますが一応ナンバリング付きの数量限定ですのでご了承ください。

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そして今回も有名ショップSX-70 FOREVERさんに多大なるご協力をいただきポラロイドコーナーを設置。「とにかくラブレターに出てきた篠田さんと同じカメラが欲しい!」「撮れるうちに撮ってポラの作品を残したい!」という方のためにSX-70の販売もしております。初心者の方でも店長が使い方を丁寧にレクチャーしますのでご安心を。カメラ購入まではいかないけど、このビジュアルが好きなのよね〜、という人にはSX-70 FOREVERオリジナルポスター(写真正面)を2100円で販売していますのでこちらもどうぞ。

2008/5/29 木曜日

喫茶マンガ本日で終了。6月は篠田昇展!

Filed under: アーティスト,豆知識 — Lucy+K @ 16:48:37

毎月変わる8坪の小さなお店「gg」。5月は「喫茶マンガ」でした。本日で最終日となります。お越しいただきましたみなさまありがとうございました!盛りだくさんなイベント多しの今月、この狭い部屋でよく出来たものです。作家のみなさん、そしてお客様、窮屈でごめんなさい。でも仕方ない、ということでご紹介していなかったことをダイジェストで。
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こちらメイン側の展示コーナー。

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上の3点がアーティストの北島 敬明 さんがあるマンガのページの絵をぬいてキャンパスに描いた作品。
そこに、他のクリエイターがストーリーをつけて発表したものが下の作品です。 参加者は岡山真子、小宮由美子、飯田竜太、toastie、青木美詠子、笠原千昌、蛭田瑞穂(定形外)、ミヤギフトシ、吉田ユニのみなさんでした。今回は広告業界でバリバリのコピーライター対アーティスト。ことば対表現はとてもおもしろい。このメイン作品で北島さんは、大好きな井上雄彦の「スラムダンク」から選んだページとのこと。井上ファンは何ページかとかわかっちゃうのかしら。。スラムダンクは今月の80人に聞いた好きなマンガアンケートでもベスト3に入っていました。現在上野の森美術館ではそんな人気漫画家「井上雄彦 最後のマンガ展」開催中。みなきゃね。そっか、Mくんどうでした?

その他の今月の一日マスターの様子。
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左はBB(左の金髪の人)の一日店長の日、フランスのテレビ局からの取材も。右は23日の写真家の本城直季店長のようす。手前の黄色いマイエスプレッソ機械をもってきた。年々様になってくる、いつかコーヒー屋さんをやるのだろう。

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24日のアーティスト飯田竜太一日店長 「飯田竜太の小箱」一日こもりっきりで公開制作、そのまわりでみんながマンガを読む不思議な風景。この日は、佐賀から(!)メインアーティストの北島さんも上京もされ、夜には若手作家交流ご飯会。若手アーティストならではの悩みはお互いの刺激が一番です。その後、静岡に住む飯田くんはかわいい母子のもとへ帰っていきました。

最後におたからぶっけん。
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これ、なんだかわかりますか。じ、じつは手塚治虫をはじめとした錚々たる漫画家が住んだトキワ荘の、実際の壁です。1982年の解体にあたり、鈴木伸一(アニメーション作家・漫画家。「ラーメンの小池さん」のモデル)、石ノ森章太郎、藤子不二雄の二人、つのだじろうがサインをしています。この壁が位置していたのは、かつて手塚治虫が住み、藤子不二雄に譲り渡した部屋(詳細は「まんが道」を参照ください)。実はお友達のO西くんが大学の先生から借りてきてくれて、今月のジジのすみっこにひっそりおいてあったのですが恐れ多くて発表できずにいました(笑)。でも最終日だからいいかね、見たい人は今日の20時まで!

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それからこちらは犬月間で参加されていたモーリーさんご自慢の永井豪さんのサイン色紙 と絵本「三丁目が戦争です」 
永井豪×筒井康隆 すごいからすごいから。右はそんな犬月間参加の「いぬばか」作家、桜木さんからもらったサインです。

来月の6月の篠田昇+ポラロイド展 お楽しみに。

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